ビールの豆知識｜ビールの色を表す数値「SRM」とは？SRM対応カラーチャート

ビールといえば黄色のイメージが強いですが、黄色と一口に言っても淡い黄色から濃い黄色まで幅広くあります。そのうえ、スタウトは黒だったり、小麦を使ったビールは白っぽくなったりと、ビールの色合いはとても複雑です。

ビールの色の素

一番の要素は、ビールの原料となる麦芽です。

麦芽（モルト）を焙煎したり乾燥したりする具合で麦芽の色が濃くなります。色の濃い麦芽を使用するとビールの色も濃くなる傾向があります。好みの色合いを出す目的で使用するモルトを決定する場合もあります。

モルトの色度数値にはロビポンド、SRM、EBCの数値が用いられますが、ビールの色度を表す数値としても用いられます。

モルトの名称に色名が付いていることも多く、モルト名を聞くと何となく出来上がるビールの色味も想像出来たり・・・するかな？

珈琲豆でいうと深煎りは濃い色、浅煎り薄い色のコーヒーが出来上がるのと同じイメージ。

モルト以外には、副原料に使用するフルーツやお花などの色素がビールの色に影響を与えます。敢えて淡い色のモルトを使用することによりモルトからの色味を抑えつつ、フルーツ由来の色素からモルトでは得られないような色を狙うこともあります。

他にも、仕込み水の成分や麦汁の製造過程でも変化します。

ビールの色を表す数値

麦芽の色味やビールそのものの色味を表現する基準として、SRM（Standard Reference Method）：標準参照法とEBC（European Brewery Convention）という指標があります。

SRM（スタンダード・リファレンス・メソッド）

Standard Reference Method・SRMは1950年にAmerican Society of Brewing Chemists Annual Meeting（米国醸造科学者学会）が採用した測定方法です。

SRM法の数値は、1cmのビールを通過する光のうち、特定の波長（430nm）がどのくらいビールに吸収されて減衰するかを測定し、その値に定数（SRMは12.7、EBCは25）を乗じて求めます。430nmの波長は藍色の光に対応していて、ビールごとの違いが最も顕著に現れる波長であり、濃い色ほど数値が大きくなります。

この方法が採用されるまではロビボンド氏が定義した測定方法であるロビボンド法を用いてビールの色を測定していました。

ロビボンド法での測定結果とSRM法での測定結果はほぼ等しく、互換性を持って用いることができるとされました。ただし、暗い色になるほどロビボンド法での測定は難しかったらしい…（人の目では暗い色の見分けがつきにくいため）

ロビボンド法とSRM法の互換性をさらに高める変換式として　SRM=1.3546×L° – 0.76　が公開されています。

EBC（ヨーロピアン・ブルワリー・コンベンション）

European Brewery Convention・EBCはヨーロッパ醸造学会が定めたビールの色合いを表す数値です。

測定方法はSRMと同じですが、測定値には25を乗じます。SRMが12.7を乗するので、EBCの値はSRM値の約2倍となります。

SRM値を約1.97倍するとEBC値が求められます。

カラーチャート

光を通して測定する色合いのSRM（EBC）はRGBやHexなどを使って表現できないのですが、Wikipediaやその他参考サイトを基にカラーチャートを2つ作ってみました。

数値の前後色でグラデーションにしていますがモニターによって見え方が違うので、参考程度で見てください(*´ω｀*)

Chart1

Wikipediaを参考にしたもので、黄色ベース

Chart2

北米クラフトビール情報ONE PINT様の色味を参考にしたもので、橙～茶ベース

グラスをTAPすると拡大表示、再TAPで閉じます。

いずれにしてもSRM40を超えると、ほぼ黒に見えるようです。